中国・四国労災年金支援センター
訪問時のエピソード(輝く水彩画 高知県四万十の里で)
今年の冬も寒かった。覚悟して四万十町を訪問した日は気温5度で、「冷蔵庫の中より寒いね。」と挨拶される方もいました。
その地で静かに、暖かく、力強く、着実に今を生きている。そのように感じた、障害1級で脊髄損傷の西村洋一さん(64歳)をご紹介します。
初めてお会いしたのは5年前、電動車いすに乗って絵を描いているという方でした。その手元を見ると特殊な上肢装具に絵筆を固定し、1筆1筆描いていく。「絵を描くいうてもこれだけ準備がね。でも描ける環境にある事を感謝します。」と静かに話してくれました。西村さんが水彩画を描こうと思ったきっかけは、被災後に見た、筆を口にくわえて絵を描いている方の映像を見た時に衝撃を受けたからだそうです。
「自分にも出来る事があるのでは無いかと考えるようになった。」、「自分で考え自分から行動を起こしていくことで周りの方が協力してくれる。絵が描ける環境にあることに感謝です。」また「こんな自分が誰かのために役にたてばいいと思っています。」と先日の訪問時に話されていました。
ちょうど西村さんの水彩画が展示されているという四万十町の「ギャラリー喫茶556」へ伺いました。オーナーの山本哲資さんは西村さんの水彩画の師匠だそうです。
山本氏によると、別の障害をもつ男性が西村さんが絵を描く姿を見て、その姿に非常に感銘を受け、この男性も絵を描き始めたそうです。終日ベットで過ごしているこの男性が最近メキメキと腕を上げびっくりしているとのことでした。
皆さんの、自分の出来ることに打ち込める環境が継続する事を願っています。
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