「石綿による健康被害の救済に関する法律」
(H18.2.10公布)

平成18年02月10日

石綿による健康被害者であって労災補償による救済の対象とならない者に対し、事業者、国及び地方公共団体が全体で費用負担を行い、石綿による健康被害の迅速な救済を目的とした「石綿による健康被害の救済に関する法律」(以下「石綿救済法」と言います。)が平成18年2月10日公布されました。

石綿救済法では、

  1. 労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族であって、時効で労災補償を受ける権利が消滅した者に対する「特別遺族給付金」の支給
  2. 住民等で労災補償等による救済の対象とならない者に対する「救済給付」の支給

を行うこととされています。
以下にその概要を紹介します。

1.特別遺族給付金の支給制度

石綿にさらされることにより発症する指定疾病その他厚生労働省令で定める疾病により死亡した労働者等(死亡労働者等)の遺族であって、時効により労災保険法に基づく遺族補償給付の支給を受ける権利が消滅したものに対し、特別遺族給付金が支給されます。
特別遺族給付金には、「特別遺族年金」と「特別遺族一時金」があり、特別遺族年金は、死亡労働者等の配偶者等であって、死亡労働者等の死亡の当時その収入によって生計を維持していたこと等の要件を満たすものに対して支給されるものです。また、特別遺族一時金は、特別遺族年金を受けることができる遺族がいないときに、配偶者等の遺族に対して支給されるものです。
これら給付に必要な費用は、労働保険料として労災保険適用事業主から徴収されます。

※指定疾病とは、(1)中皮腫、(2)気管支又は肺の悪性新生物、(3)石綿を吸入することにより発生する疾病であって政令で定めるものをいいます。

2.救済給付の支給制度

労災補償等の対象とならない者で、石綿の吸入により指定疾病にかかった旨の認定を (独)環境再生保全機構(以下「機構」といいます。)から受けた者を対象に救済給付が行われます。
救済給付には、医療費、療養手当、葬祭料、特別遺族弔慰金、特別葬祭料、救済給付調整金があり、救済給付は、機構から次の者に対して行われます。

  • 指定疾病にかかった旨の認定を受けた者(被認定者)に対しては、医療費(自己負担分)、療養手当、葬祭料が支給されます。
  • 法施行前に指定疾病で死亡した者の遺族に対しては、特別遺族弔慰金、特別葬祭料が支給されます。

石綿の吸入により指定疾病にかかった旨の認定(認定の効力は申請時に遡って発生)は、医療費の支給を受けようとする者の申請に基づき、機構により実施されます。
救済給付の費用に充てるため、機構に「石綿健康被害救済基金」が設置され、政府・地方公共団体は、機構に対し、救済給付の費用に充てるための資金を交付・拠出することとされています。また、労災保険適用事業主等から、毎年度、「一般拠出金」が徴収されます。さらに、石綿の使用量、指定疾病の発生状況等を勘案して政令で定める一定の要件に該当する事業主から、毎年度、「特別拠出金」が徴収されます。

3.施行期日等

施行期日は、平成18年3月31日までの間において政令で定める日です。

ただし、石綿健康被害救済基金の設置等は公布の日から、費用の徴収については平成19年4月1日から施行されます。 政府は、この法律の施行後5年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行います。

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